第34回日本老年学会総会のシンポジウムにて発表しました。
「地域とともに進めるフレイル予防のまちづくり 〜鷺宮エリア介護ネットワークの取り組み〜」
2025年6月に幕張メッセで開催された第34回日本老年学会総会で、株式会社西武堂の薬剤師 須藤元輝がシンポジウム発表を行いました。日本老年学会総会は老化・高齢化分野で国内最大級の学術集会であり、今回も多数の研究・実践発表が行われました。
発表テーマ
地域とともに進めるフレイル予防のまちづくり 〜鷺宮エリア介護ネットワークの取り組み〜
中野区鷺宮エリアを中心に、多職種で連携して進めている“楽しく・身近で・地域ぐるみ”のフレイル予防について、薬局薬剤師の視点から関わり方と役割を紹介しました。
鷺宮エリア介護ネットワークとは
2015年に発足したネットワークで、介護・福祉・医療など地域の事業所がゆるやかに連携しています(参加事業所は40社以上)。ケアマネジャー、訪問看護、デイサービス、薬局など多職種が関わり、住民参加型のイベントや啓発活動を通してフレイル予防を進めています。
主な活動紹介
高齢者会館対抗カラオケバトル
歌うことで口腔・呼吸機能の維持、認知機能の活性化、交流促進を図るイベント。年々参加規模が拡大しており、楽しく取り組むことで自然にフレイル予防へつながっています。
エッセンシャルワーカー対抗カラオケバトル
医療・介護・福祉の専門職がチームで出演し、職種間の理解やつながりを深める場として実施。顔の見える関係づくりや多職種連携の醸成に貢献しています。
ケアマネ音頭
ケアマネジャーが作ったオリジナル音頭で、歌詞に介護相談の大切さを込めています。盆踊りや高齢者サロンで披露され、認知機能予防や体力づくりにも寄与。通信カラオケ機器を通じて全国に広がりつつあります。
介護啓発ポスターシリーズ
毎年11月11日の「介護の日」に合わせて地域で制作。ユーモアあるデザインで注目を集め、介護への関心喚起や会話のきっかけづくりに役立っています。薬局薬剤師も出演・発信に関わっています。
薬局薬剤師としての役割
- 住民にとって身近な健康拠点として「気づき」「声かけ」「つなぎ」を行う。
- 多職種との「ゆるやかなつながり」を支え、地域の支援選択肢を広げる。
- 地域で参加しやすい場を作ることで、健康維持や社会参加の後押しをする。
これからの目標
“まちの薬局”が情報・支援・人をつなぐハブとなり、地域に根ざしたフレイル予防のまちづくりをさらに広げていきます。住民・事業所・専門職が協力し合える場を増やし、地域の安心につながる活動を継続していきます。
発表概要

